歯科医師の酒井です。
働き改革が話題になっていますが、それでも今生きる現代がストレス社会です。
そんなストレス社会で生きていくうえで、知らず知らずのうちに体には負担がかかっていきます。ストレスは口臭にも大きな影響を与えます。口臭とストレスとの意外な関係についてわかりやすく解説していきましょう。
ストレスと口臭の関係
口臭を抑えるのに欠かせない唾液ですが、唾液分泌は自律神経によってコントロールさせています。自律神経には活動しているときに活発化する交感神経と、リラックスしているときに優位に働く副交感神経があります。
唾液は交感神経でも副交感神経でもどちらでも分泌されます。しかし、ストレスを感じて交感神経が優位になっていると、ネバネバの水分の少ない唾液が分泌されます。リラックスの状態になる副交感神経が優位なときは、唾液はサラサラの状態のものが分泌されます。緊張によって交感神経が優位になっていると、唾液はネバネバの唾液しか分泌されません。そのため、歯周病などが発生させるガスが唾液に溶け込むことができずに、口臭がきつくなってしまいます。
常にストレスを感じていると、サラサラの唾液が分泌されにくくなってしまうので、口臭が悪化してしまいます。歯周病はそこまでひどくないのに、口臭をきつく感じてしまうという方は、ストレスによって、唾液分泌が正常化されなくなってしまっている可能性がとても高くなっています。
ストレスを解消すれば口臭も改善されますが、仕事や人間関係のストレスを改善させるのはとても大変なことです。ですから、まずはしっかりと副交感神経を優位にさせてサラサラの唾液を分泌させるようにすること、そして歯周病予防をしっかりとすることが大切です。サラサラの唾液を分泌させるには、まずはしっかりと噛んで食事をすることが大切です。
食事をしているときは、人は本能的にリラックスしている状態です。もちろん食べ物をしっかりと口の中で分解することで胃腸への負担を減らさないといけないので、サラサラの唾液が分泌されやすくなります。しっかりと噛むことで、サラサラの唾液が分泌されやすくなります。ストレスを感じて口臭がきつくなってしまっている方の多くが、早食いであったり、カップラーメンなどのインスタント食品を好む傾向が強いです。ですので、
早食いをやめて、しっかりと噛んで、なるべくインスタント食品ではなく、サラダやご飯といった食事を食べるようにしましょう。しっかりとサラサラの唾液が分泌されることでストレスも軽減されやすくなりますので、試してみてくださいね。