80歳になっても20本の歯を残そう

80歳になっても自分の歯で

皆さんこんにちは。京王八王子駅前歯科です。

今日は、「80歳になっても20本の歯を残すことを目指そう」という題材でお話ししたいと思います。

今回の題材は、厚生労働省と日本歯科医師会も提唱しています。

1989 年(平成元年)より、「8020運動(ハチマルニイマル運動)」と銘打って、国民に広く働きかけ始めました。

大人の歯は、親しらずを除くと28本ある中で、80歳になっても20本以上自分の歯を残そうというものです。

20本の歯があれば、ほとんどの食べ物を嚙み砕くことができて、味を楽しみながら食事ができるとされています。

弥生時代の6分の1しか噛んでいない現代人の食事

卑弥呼がいた弥生時代の人々は、1食あたり4000回近く噛んでいたと言われています。

現代人の平均が620回なので、6倍以上も噛んでいたことになります。

現代人は、食文化の変化で柔らかい食べ物が増え、忙しい生活から食事の時間が減ったことで噛む回数がどんどん減っています。

噛む回数が減ると、あごが発達しません。そうなると、歯並びが悪くなりやすく虫歯や歯周病の原因にもなります。

「卑弥呼の歯がいーぜ」

そこで1990年、噛むことの大切さを考えるために発足した「日本咀嚼学会」では、「卑弥呼の歯がい-ぜ」という標語を紹介しています。

卑弥呼の歯がいーぜ8020

ひ:肥満防止

よく噛んで食べると脳にある満腹中枢が働いて食べ過ぎを防げます。

「一口30回噛む」ことは、肥満予防法として、厚生労働省「保健指導における学習教材集」でとり上げられています。

み:味覚の発達

よく噛んで味わうことにより食べ物の味がよくわかります。

食べ物の味覚を脳に伝えるのは、舌やのどの粘膜に広く分布する味蕾(みらい)です。舌だけで約5,000個もの味蕾があります。
食べ物をよく噛むことで味覚センサーがよく働くようになるのです。こうした口からの味覚情報や視覚などその他の五感からの情報が集約され、「おいしさ」を脳が判断するのです。

こ:言葉の発音ハッキリ

よく噛むことにより、口の周りの筋肉を使うので表情が豊かになります。また、口をしっかり開けて話すときれいな発音ができます。

幼少期の食事の内容やむし歯・歯周病で抜けた歯が原因で、歯並びを悪くすることは少なくありません。

歯並びが悪くなるとコンプレックスを抱き、元々明るい性格の人がお口を開けて笑うことをためらうようになり、人づき合いにも消極的になってしまうこともあります。

歯並びがキレイかどうかは、心の健康にも関わってくるのです。

の:脳の発達

よく噛む運動は、脳細胞の働きを活発にします。子供の知育を助け、高齢者は認知症の予防につながります。

よく噛んで食べると、脳の血流が増加することが分かっています。

中でも、脳の神経の中の「満腹中枢」・「味覚中枢」・ 記憶に関係する「海馬(かいま)」・嗅覚やストレスにかかわる「扁桃体(へんとうたい)」・自律神経の中枢である「室傍核(しつぼうかく)」などが活性化していることが確認されています。

つまり、よく噛むことで「肥満を防止」・「記憶力増大」・「ストレスが解消」といった効果が期待できるということです。

は:歯の病気を防ぐ

よく噛むと唾液がたくさん出て、口の中をきれいにします。

この唾液の働きが虫歯や歯周病を防ぐのです。

口の中が酸性になると、エナメル質の表面からミネラル分が溶け出し、むし歯になるのですが、だ液の「緩衝機能」が口の中を中和して、むし歯を防ぐ働きをしているのです。

が:がんを防ぐ

唾液の酵素には発がん物質の発がん作用を消す働きがあります。

唾液の物質の中にある「ペルオキシダーゼ」は、食物の中にあるの発がん性物質がつくりだす活性酸素を酵素反応で分解してくれます。

いー:胃腸の働きを促進する

よく噛むことで消化酵素がたくさん出て消化を助けます。

食べ物が唾液と混ざると、でんぷんを分解する酵素が働き、食べ物を柔らかくし、胃で消化しやすい状態にしてくれます。

ぜ:全身の体力向上と全力投球

力を入れて噛みしめたい時に歯を食いしばることで力が湧きます。

スポーツの時にしっかり奥歯を噛み締めるとよりパワーが出ます。

一流のアスリートの間では、歯を大切にすることが常識となっています。

スポーツをするとき、十分に力を発揮するためにも歯とお口の健康が欠かせないのです。

80歳でも歯を20本残すためには

日本人の歯の寿命は、先進国の中でも最低クラスだと言われています。

予防歯科の先進国スウェーデンの80歳以上の方の平均は25本。

これだけの本数を残せるのは、予防意識が高い他にありません。

虫歯は3カ月もすればできてしまいますし、口内環境が悪ければすぐに歯周病にもなります。

「定期管理予防を受けている人の割合はスウェーデン90%、アメリカ80%なのに対し、日本はわずか5%です」

歯医者さんで定期的なメンテナンスをして頂くことや、歯磨きを始めとしたセルフメンテナンスを怠らないことで80歳で20本、いや、できる事なら全ての歯が失われないように是非努力してください。

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