みなさんこんにちは、京王八王子駅前歯科の歯科医師酒井です。
近年、日本でも歯並びを気にする方が多くなってきました。歯並びとひとことで言っても、それぞれ気になる部分は異なることでしょう。
そのなかでも、日本人に特に多いと言われている『出っ歯」について今回はお話しします。
出っ歯とは
出っ歯とは、一般的に『口元で前歯が目立っていること』を指す場合が多く思います
歯科の観点としてはもちろん違うのですが・・・。どの程度を出っ歯としてコンプレックスに感じるかは人それぞれですよね。
ご自分の歯が普通なのかどうかと悩む方もいますし、気になるから治したいという方もいるでしょう。気になる方は、まずはお近くの歯科で相談してみてくださいね。
歯科の観点からの『出っ歯』とは上顎前突症のことを指します。
上下の歯を噛んだ時に、上下前歯の距離が通常は2~3ミリ程度とされています。これを目安に、下の前歯に対して上前歯が前方に向かって3ミリ以上離れている場合が上顎前突症ということになります。これらはあくまでも目安になります。
また、これらは先天性のものと後天性のものがあります。
先天性とは、上あご・下あごの形や大きさに起因するもの、もともとの前歯が大きい場合などのことを指します。それに対し、後天性のものはクセや習慣が要因となり発生した『出っ歯』のことを指します。
どちらから起因する症状かにより、治療方法が異なります。
出っ歯になる要因(クセや特徴)
出っ歯には先天性・後天性のものがあると前述しました。
そのうち、先天性のあごに起因する要因は主に2つです。上あごが下あごに比べ大きいために前歯がでて見える場合、逆に上あごに比べ下あごが大きいために、うまくかみ合わず上の歯(あご)が下の顎に対し前にでて位置してしまっている場合です。
そしてもうひとつ、もともとの歯が大きい場合。これは説明するまでもないとは思いますが、単純に歯が大きいため前歯が出て見える(歯が大きくあごに入りきらず、実際に歯並びの乱れにより出っ歯になることもあり)状態です。
先天性の出っ歯の要因となる、顎の形や大きさ、歯の大きさ(形)はいわば骨格。骨格は遺伝が強くでる部分です。また、これが要因の出っ歯は骨格に起因するものになるので、治療もそのぶん大掛かりなものとなります。
そして次に、後天性の出っ歯。
こちらはクセや習慣が大きく影響したものです。代表的なものをご紹介します。また、小さい時の習慣で歯並びが決まると思っている方も多いですが、必ずしもそうではありません。
特に『出っ歯』に関しては、20歳を過ぎてからでもなり得ます。そのことを踏まえ、この後にご紹介するクセや習慣がある方は見直しましょう。
- 指しゃぶりや爪を噛むクセがある
- 前歯の裏に常に舌が当たっている
- 下唇を噛むクセがある
- 口呼吸
上記が代表的な要因と言われています。
「歯」は生えそろってからも癖や習慣、口内の環境によって動きます。
上記したものは、決して強い衝撃や負荷のかかるものではないですが、それでも習慣化していた場合、歯は負荷のかかる方へと動き、歯並びは変化してしまいます。
この機会に、日々の習慣や何気ない時の舌の位置、お口の状態に気をつけてみてくださいね。