歯を削る・歯を削らないはあなた次第

「歯を削らない治療」「できるだけ歯を削りません」

こんなフレーズを最近ではよく耳にするようになりました。

歯は一生ものですし、削った歯は元に戻らないので、そんなフレーズに魅力を感じる患者さんも多いかと思います。

もちろん、削らないに越したことがないのは事実です。

しかし、残すことに目が行くばかりで、病気に侵された部分を取り切れていない可能性があるのでは本末転倒です。

時には削らなければいけない時もあるのです。

では、どのような状態の時に歯を削らずに済み、どのような状況の時に歯を削る必要があるのでしょうか。

歯を削らずに済む状態とは

①初期の虫歯の状態である

歯の表面のエナメル質にできた初期の虫歯ならば、経過を観察して削らないと言う選択をする歯科医師は大半です。

この状態であれば、歯を清潔に保つことで、自身の持つ歯の再石灰化能力により回復させることが可能です。

歯磨きなどのホームケア、そして歯医者でフッ素塗布や定期検診を受けて適切なメンテナンスを行えば、虫歯の進行が防げます。

②定期的に歯医者に通える人であること

①の状態のときは、経過観察を定期的に行う必要があります。

①の状態を放置していると、エナメル質を越えてしまい、歯を削らなくてはいけない領域に達してしまいます。

そうならないためにも、現状維持以上の状態を保つために歯科医師の検診をすることが必要になります。

虫歯は、2~3カ月でできるものなので、その範囲内で経過観察をしていくのが一般的です。

③セルフケアを怠らない人であること

歯磨きなどのセルフケアがしっかりできている人が、次の検査の時に問題ない場合がほとんどです。

虫歯の進行は、ご自分の努力が一番大切です。

日々の歯のセルフケアを怠らない人が、歯を削らずに済む一番の条件となるでしょう。

歯を削る必要がある状態とは

では、逆にはを削る必要があると判断される時とはどのような状態なのでしょうか。

①C1以降の虫歯

エナメル質を越えて象牙質や神経に達してしまった状態は、自然に回復することができないので削る必要があると言われることと思います。

この場合、痛みが出ていたり、しみるなどの症状も出ていると思います。

虫歯の箇所を取り去り、補修材で埋める処置が必要です。

②1回で治療を終わらせることを希望する患者さんの場合

悪くなった時だけ歯医者を利用し、1度の治療で終わらせることを希望する場合は、経過観察ができないため原因カ所を削り補修をする他ありません。

症状によりますが、1度の処置で問題なく終わる場合もあります。

③初診の患者さんで次回の来院見込みがない方

本来であれば経過観察をした方が良い場合でも、次回の来院見込みのない方は削った方が良いと判断されることもあります。

初期の虫歯の場合、削らない代わりに症状を悪化させないように様子を見る必要があるため、次回の来院は不可欠です。

もちろん、その方のその後の生活の仕方で左右されるものなので、一概には言えませんが、京王八王子駅前歯科では、説明をした上でその時に削るか削らないかを患者様と相談します。

④セルフケアができない方

歯磨きなどのセルフケアを怠る方、指導しても改善が見込めない方は、症状が悪化する可能性が高いため、削ることをお話しする可能性もあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

歯を削る・削らないの境界線は、虫歯の進行状態はもちろんのこと、本人の自己管理がキチンとできるかどうかにかかっています。

少しでも歯を削らないためにも、セルフメンテナンスと定期的な歯科検診を行なうようにして頂きたいです。

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