お盆休みやお正月休みになると、海外旅行や帰省で飛行機に乗る機会も増えるかと思います。
ですが、飛行機に乗って、離陸し、高度がどんどん上昇していくにつれて、歯がズキンズキンと痛むことがあります。
どうして飛行機に乗る前は歯が痛くなかったのに、急に飛行機に乗った途端、歯が痛くなるのか、その理由を解説します。
飛行機に乗ると、気圧が低下して、耳が詰まった感じになります。
この現象が口の中、歯にも起きています。
飛行機に乗る前、地上にいるときは普段は感じていませんが、空気の圧力、気圧の影響を受けています。
空気に体が押されているのですが、飛行機に乗ると、空気に押される力が弱くなる、気圧が低下します。
ポテトチップスの袋が上空に上がるにつれてパンパンになります。
これと同じ現象が体にも起きています。
歯の中には、神経が入っている管があります。
この管のことを根管と呼び、根管には神経以外にも血流も走っています。
上空に上がって気圧がさがると、ポテトチップスの袋のように、この神経の管も膨張するのです。
健康な歯であれば、多少の違和感があるだけで、痛みを感じることはありません。
ですが、むし歯があると、根管が膨張することで、痛みを感じやすくなります。
さらにむし歯が進行して、根っこの先に膿が溜まっている根尖性歯周炎や歯根嚢胞を治療していないと、根っこの先の膿や膿袋が膨張して、強い痛みを引き起こします。
この現象は飛行機だけでなく、山登りのときや、台風などが近づいて気圧が大きく低下したときにもおきます。
お笑い芸人のイモトさんは、世界の有名な山脈の山登りをされていますが、一度、山登りの練習中に、歯がとても痛んで、急遽、ヘリコプターで山を下りて、歯の治療されていました。
何千メートル級の山ですから、かなりの痛みであったことが想像てきます。
ですから、海外旅行で長時間飛行機に乗る場合、山登りに行く前には、歯科治療を終えておくことをおすすめします。
ちなみに、宇宙飛行士は歯にむし歯があると、宇宙船には乗れません。
宇宙は気圧もなければ、重力もありませんから、もし、むし歯があれば、飛行機乗るとき以上の痛みが起きます。ですから、宇宙飛行士の皆さんはむし歯がないこと、もしくは治療済みであることが条件になります。
普段は痛みを感じていなかった小さなむし歯も痛みが誘発されやすいので、定期的な検診を受けて、自分では気づきにくい小さなむし歯もしっかりと治療してもらいましょう。