歯科医の酒井です。
お子さんとのスキンシップの際に、「あれ?なんだか口が臭うかも…」と感じたことはないですか?
思い違いなら良いですが、本当に臭っていた場合はお友達に指摘されたりする前に治してあげたいのが親心ですよね。
子どもの口臭の主な原因
- 虫歯、歯周病
大人の口臭にも言えることですが、一般的に「口臭」の原因として考えられるのが虫歯や歯周病によるニオイです。
虫歯や歯周病とは、お口の中で菌が繁殖している状態です。大きな虫歯や、小さな虫歯でも点在している場合、歯がグラついていたりリンゴ程度の歯ごたえのあるものを噛んだ時に歯ぐきから出血をするような歯周病がある場合、独特のニオイが発生します。
これらのニオイは、電車の隣合わせや対面での会話程度の距離なら相手にニオイを感じさせます。
- お口の中の乾燥(唾液の分泌の低下)
これは口呼吸癖があったり、マウスウォッシュの使い過ぎによる唾液の分泌量低下などにより口の中が十分に唾液で満たされていない状態を指します。
近年、食事やおやつの際にあまり咀嚼しないお子さんが多いと言われています。
その結果、あごの筋肉が弱り口を閉じずに口呼吸をする子が多くいるのです。
口呼吸が癖になっていると、どうしても常に口が開いている状態になります。
これにより、口内の乾燥から口内の菌の繁殖に繋がりニオイが発生する場合があります。
また、この“咀嚼回数が少ない”というのは、唾液の分泌にも影響を与えます。
本来、咀嚼することにより唾液の分泌が促され、口内の環境を整える役割があります。
ですが、咀嚼回数が少ないと必要な唾液量が十分に分泌されず、口内細菌が増え、虫歯などのリスクが上がるのです。
上記の内容がお子さんに当てはまる方は、十分な唾液の分泌と口内の乾燥(口呼吸や口を開ける癖など)を防ぐことで、ニオイが大幅に減る可能性があります。
- 免疫力の低下
風邪気味や疲れていたりなどの免疫力が下がる時に口臭がでる場合あります。
その他、ストレスが原因で唾液の分泌が不十分になる場合があり、その場合もやはり口臭がでる可能性があります。
お口のケアはしっかりしているのにたまに口臭を感じるなんて場合は、体調不良や何かしらのストレスをお子さんが感じている時かもしれません。
- 副鼻腔炎など、口内以外の疾患
副鼻腔炎とは鼻の奥に鼻水や膿が溜り、ひどくなると鼻以外の箇所にも痛みがでる病気です。
口と繋がっている鼻に膿がたまっている状態ですので、これを口臭と感じるのです。
また、内臓からニオイが上がってきている場合もありますので、お子さんのお口の中のケアや口呼吸癖が原因ではないという方は歯科以外の専門医(最近では口臭外来などもあります)に相談するのも良いでしょう。
お子さんの口臭が気になると感じたら
大人・子供問わず、口臭は自覚がない場合が多いです。
大人と違い、子供の場合はよくも悪くも感じたことをそのまま口にします。周囲のお友達に指摘され、傷ついてしまう前に対応してあげたいものです。
しかし、前述しました通り、一時的な体調不良が原因の場合も多くあります。
歯ブラシなどの基本的なお口のケアをしっかりされているようであれば、あまり過敏になりすぎずに余裕をもって見守ってあげましょう。
まずは基本的なお口のケアを。
そして日々のケアの仕方や、お口の状態が不安なようでしたら歯科へご相談ください。