唇(くちびる)にしこり 原因・治療法とは

みなさんこんにちは、京王八王子駅前歯科の歯科医師酒井です。

ふと鏡を見て見ると、唇にしこりができていたりします。

この唇にできるしこりの正体は一体なんなのか、原因と治療法についてご紹介します。

唇にできるしこりの原因とは

一般的に唇にできるしこりの原因は「粘液嚢胞」が考えられます。

粘液嚢胞とは、唾液などの分泌する分泌腺が多い箇所に発生しやすいです。

唇をめくった内側にできやすいしこりです。

原因は、分泌腺が傷ついてしまって、詰まってしまうことです。唇は食事したり、会話をすることでたくさん動きます。

唇を動かすときに、噛んでしまったり、熱いものを食べたりすることで、分泌腺が傷つくことで、粘液嚢胞はできます。

分泌される唾液がどんどん溜まって、袋状になって、しこりのようになります。

粘液嚢胞の治療としては、切除療法があります。

麻酔をして、メスで切って、しこりを取り除く治療法になります。

また、最近ではレーザーを導入している歯科医院では、レーザーによって、焼いて治療する方法も一般的になってきています。

一般的な歯科医院でも小さい粘液嚢胞であれば、治療することが可能です。

口腔外科を紹介されて、治療される場合もあります。

このように唇にしこりができる原因の多くは、この粘液嚢胞のことが多いですが、他にもしこりを引き起こす病気があります。

粘液嚢胞との鑑別しなければいけない疾患

その他、唇にしこりを起こす病気、それは「唇癌」です。

唇にも皮膚と同じように癌がおきます。しこりとともに、痛みも一緒に起きることが多いのですが、痛みなく、そのまましこりが大きくなっていくこともあります。

癌と聞くと、少しびっくりしてしまいますが、口唇癌は、唇にできる癌であるため、毎日鏡を見ているので、早期に発見されることが多いです。

まずは、先ほどご紹介した粘液嚢胞との鑑別を行うことが重要です。

いきなり大きな病院に行くのではなく、近くの歯科医院や皮膚科を受診しましょう。

明らかに、粘液嚢胞と形状が違う場合や、鑑別が難しい場合は、歯科医院から近くの大きな病院に紹介状を書いてもらって、受診します。

仮に口唇癌だとしても、初期では手術で根治することが多く、生存率も100%に近いです。

ただし、放置すると歯ぐきや、近くのリンパ節に転移することがあるので、痛みを伴うしこりの場合には、早期にかかりつけの歯医者さんに相談しましょう

こういった唇のしこりも普段からかかりつけの歯科医院で定期検診を受けることで、経過観察が行えるので、もし悪性の

腫瘍出会ったらいち早く気づくことができます。

癌予防のためにも日頃から、歯の定期検診に行くようにしましょう。

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