歯並びと歯周病の関係

歯科医の酒井です。

みなさん、お口の中で気になることはありますか?

大体の場合、「ニオイがあるのではないかと気になっている」と答える方が多いです。

ニオイは口腔内の環境に大きく影響を受けます。

しかし口臭に比べ、「歯並び」となると関心がない方が多いのはなぜでしょうか。

口臭と歯並びは関係がないものと思っている方が意外と多いですが、実は歯並びの悪さは口臭の原因になるのです。

今回は、そんな口臭と歯並びの関係についてお話ししようと思います。

歯並びが悪いとなぜ口臭がでる?

歯並びが悪いことで以下のことが起こります。

・歯並びが悪いことにより、汚れがたまりやすくなる

歯並びが悪いと前後に歯が重なったり、口腔内の凹凸が多くなるため、食事をするたびに食べカスがたまりやすくなります。

歯は丸みのある形をしており、きれいに並んでいる場合でも汚れは溜まってしまいます。それに加え、並びが悪い場合は更に汚れの蓄積しやすい箇所が増えてしまうのです。

・歯ブラシが当たらない箇所がでる

歯並びが悪い場合、通常より汚れがたまりやすい状態とお話ししました。

更に、凸凹が多いため、歯ブラシを全体にしっかり当てるのが難しいのです。

これは特に、歯と歯が重なるように歯が並んでいる方に言えますが、どう頑張って丁寧に歯ブラシを当てても“歯ブラシが当たらない箇所”がでてしまいます。

歯が前後にずれてはえている方も、特に気にせず歯ブラシを行っている場合は歯ブラシが当たっていない箇所が出ているかもしれません。

・噛み合わせ悪くなる

歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなります。

そして噛み合わせが悪いと、モノを噛みづらく、また口が閉じづらくなります。

これらは、口呼吸、ドライマウスの原因や唾液の分泌に影響します。

これらはすべて、虫歯や口臭の原因になります。

・お掃除などのお手入れがしづらくなるため、虫歯になりやすい

上記した内容と重複しますが、歯並びが悪いとお手入れや日々の管理をご自身でしっかり行うのがとても難しいです。

そのため、管理しきれない箇所がどうしてもでてしまいます。

結果として、歯並びの良い方に比べ虫歯のリスクが高くなります。

以上のことは、歯並びが悪い方すべてにあり得ることです。

またこれらすべてが歯周病や虫歯、そして口臭へと繋がります。

このように、歯並びが悪いことで口腔内の状態が悪くなるのです。

歯並びをキレイにするには

一般的には歯列矯正をします。

大人より子供の方が、歯が動きやすく今後の顎の成長も望めますので、早く矯正を完了することができます。

また、乳歯・永久歯への生えかわり中の早い時期に矯正を開始すると費用も比較的安価でお子さんに負担の少ない矯正を選ぶことも可能です。

最近では、成人になってから矯正を始める方も珍しくはありませんが、費用面や抜歯、歯を動かしていく間の負担は子供の頃より大きくなります。

お子さんの歯並びが気になる場合は、早めの歯科へのご相談をおすすめします。

矯正中の見た目が気になり、躊躇している方は矯正ワイヤーが見えない内側からする矯正などもあります。

まずは、歯科医へご相談だけでもしてみてはいかがでしょうか。

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