歯科医の酒井です。
歯科には日々、多くの患者さんがご相談や治療で来院します。
その中でも、治療内容として多い「歯の詰め物」。みなさ、お口の中に一か所は入っている方が多いのではないでしょうか。
歯の詰め物とは
学校や会社で行われる歯科検診などでは「歯の詰め物」と一言でまとめて説明されることが多いかもしれません。ですが、詰め物といっても種類があるのです。
みなさんが小さいときから耳慣れている代表的なものとしては「銀歯」、そして、意外と知られていないですが、小さな虫歯や欠けた部分に詰める白い詰め物があります。
その他にも、治療箇所や内容によっては金歯やセラミックなどの材質をつかった詰め物が入っている方もいます。
これらは治療する際に、歯科医から説明や選択肢を提示され、患者さん自身も理解したうえ入れているものなのです。しかし、治療から年数が経っていたり、子供のころに入れた詰め物の場合は忘れていたり、知らないということも珍しくはありません。
そのため、いざ取れてしまった時にお口の中の違和感に驚いてしまい「歯が欠けてしまった」とおっしゃり来院なさる方もいます。
そうなった時に慌てないためにも、検診の時などにご自分のお口の詰め物の位置を確認しておくのも良いかもしれませんね。
取れた詰め物は捨てても良い?
外れてしまった詰め物自体が手元にある場合は歯科に持参しましょう。接着面を確認し、きれいに取れていればそのまま外れた詰め物を付けることも可能です。(詰め物の種類にもよります)
失くしてしまった場合や、謝って飲んでしまった場合も慌てないでください。口内に付けていたものですので、人体に有害ということはありません。詰め物の取れてしまった部位への治療内容が少し変わりますので、取れてしまったものは失くしてしまったと歯科の受付や歯科医に伝えるだけで大丈夫です。もちろん、詰め物がなくても怒られたりしませんので、ご安心ください。
詰め物の取れてしまう原因
詰め物が取れてしまう原因としてはいくつか考えられます。
・年数の経過による、接着効果の低下
これは単純に、子供の頃に接着した詰め物が年数の経過により少しずつ接着が弱くなっていったことによる脱離です。
・接着面内側の虫歯による詰め物の脱離
接着面のわずかな隙間などから汚れ溜まってしまい、接着面の内側が虫歯になっている場合があります。この虫歯が原因の場合、詰め物が取れてから虫歯に気づくと虫歯がかなり進行してしまっている場合も少なくありません。
・粘り気の強い食べ物による詰め物の剥がれ
キャラメルや飴玉を噛んで食べる癖がある方は要注意です。最近の詰め物の接着材はとてもよくできており、強力なものも多いです。しかし、このような刺激を度々加えていると接着面が浮き、取れてしまう場合があります。
・歯ぎしりや噛みぐせ等の外的刺激による詰め物の劣化や接着面の剥がれ
無意識のうちに歯を食いしばる癖や、睡眠中に歯ぎしりする方は詰め物が朝起きたら取れているということも珍しくありません。また、詰め物の材質によっては逆に歯の方が削れてしまったり、欠けてしまうなんてこともあります。
最後に
歯の詰め物は一生ものではありません。取れてしまう場合、削れてしまう場合だってあります。また、取れていないからとそのままにしていると、見えない内側から虫歯になってしまっていることもあります。
詰め物が取れてしまったら、お近くの歯科医まで。
取れていない場合も、定期的に虫歯になっていないか、接地している境目に汚れが溜まっていないかなどの検診を受けると良いでしょう。
京王八王子駅前歯科では、定期メンテナンスをはじめ、銀歯を白く目立たない材質のものに変えたいなどのご相談もお受けしています。それぞれの利点や特徴のご説明もいたしますので、気になった方はご相談ください。