歯科医の酒井です。
みなさんは、「歯ぐきのケア」はしていますか?
歯のケアはしているけど、歯ぐきのケアと言われると・・・という方が多いことでしょう。歯の色や形、並びは気になっても、歯ぐきの状態は気にならない方が多いのです。ですが、歯を支えているのが歯ぐき。歯と同じように歯ぐきもケアしてあげないと、せっかく歯をキレイに保っていても数年後にポロっと抜けてしまうことになるかもしれません。
歯ぐきからの出血・・・これって傷?
歯ブラシの時に血の味がしたり、吐いた唾液に血が混じっていたりしたことはないでしょうか?
“歯ブラシで口の中を傷つけてしまったかな?痛くないからいいか”なんて思っている方もいるのではないでしょうか。その出血は大体の場合、歯と歯ぐきの間にたまった汚れにより、歯ぐきが炎症をおこしている状態です。いわゆる、歯周病といわれるものの症状です。歯磨き粉のCMなどで見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
歯ぐきの出血の原因
前述しました通り、歯ぐきからの出血は歯ぐきの炎症(歯周病)によるものがほとんどです。
では歯周病とはいったいどういった状態で、何が悪いのでしょうか。
“歯周病ってよく聞くけど、結局どんな状態のことなのかイマイチよくわからない”という方も多い事でしょう。
歯周病とは、歯と歯ぐきの間の汚れが原因でおこる炎症だとお話ししました。意外と知らない方も多いのですが、人間の口腔内には常にたくさんの細菌が存在します。食べカスやこの細菌の死骸などが長時間停滞することにより、歯ぐきに炎症を引き起こすのです。
この炎症は実はこわいもので、放置していると歯ぐきが熟れたトマトのようになりぶよぶよと腫れた状態になります。土台が不安定になったことにより歯がグラつき、モノを噛むのがつらくなります。そして、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあるのです。
また、歯周病の方は独特の口臭もでるため、本人より周囲の人のほうが早く変化に気づくなんてこともあります。
歯周病の初期症状
ご自身で自覚できる初期症状としては、歯ブラシの際に少量の出血があるというのが一番わかりやすい症状かと思います。今回のタイトルにある「トラブルサイン?」とはこのことです。これを目安に、ご自分の歯の磨き方など、ケアを見直してみてください。
とはいえ、歯ブラシの仕方にもそれぞれ癖があるものです。歯ブラシの癖により、毎日同じ場所にブラシが当たっていない方、本当に多いです。そういった場合、当たり前ですがそのブラシが当たっていない箇所に汚れが停滞しやすくなります。
しかし、毎日ブラシも当たらないために出血もしないまま、気づいた時には炎症が悪化してしまい、痛みがでるまでになってから気づいたという話もよく聞きます。
このようなことにならないためにも、定期的に第三者の目で確認する「検診」をおすすめしています。
歯ぐきのケア
歯ブラシの当て方ももちろん大切ですが、歯と歯の間などの歯ブラシだけではお手入れしづらい箇所もありますよね。
そんな場所にお使いいただきたいのが、歯間ブラシとデンタルフロスです。不器用な方や面倒臭がりの方には、ブラシ部分がゴムで出来ている歯間ブラシがおすすめです。
ブラシ部分が柔らかいため、少し雑に扱ってもお口の中を傷つけたりしません。日ごろの歯ブラシの後の仕上げとしてお使いになってみてはいかがでしょうか。
最後に
お口の中はとても複雑かつ、繊細にできています。ご自分でのケアやお掃除には限界があります。
また、汚れが長い間停滞した場所には汚れが固くなり、歯石とよばれる歯ブラシでは取れない状態になります。歯石になってしまった汚れは、歯科で除去してもらわないと自分では取ることができません。
まずはお掃除と検診から、ご自身のお口の中の状態を知ってみてはいかがでしょうか。
京王八王子駅前歯科では、歯と歯ぐきの定期健診はもちろん歯ブラシ指導も行っています。疑問や質問、不安なことなどありましたらご相談ください。